豆知識コーヒーの栽培・精選方法

コーヒーの栽培

コーヒー豆ができるまで

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    種子を蒔き、約50〜60日で発芽。苗床で8〜12カ月間育てられた後は、農園に植え替えられる。

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    コーヒーの花は、降雨の後に一斉に咲く。花は白くて、ジャスミンに似た甘い香りがする。

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    順調なら、植え替えをして2〜3年目で農作物として収穫できる。その後10年間ほどがピーク。

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    青い実が成熟するとサクランボのように赤く変化。収穫は、主に乾期の頃に低地から行われる。

コーヒー豆の構造

コーヒー豆は、実(コーヒーチェリー)の胚乳の部分。外皮や果肉などに包まれていて、楕円形の2つの種子が向かい合って入っています。

精選方法

収穫したコーヒーチェリーから果肉や皮などを取り除き、コーヒー生豆にする工程を精選と呼びます。スペシャルティコーヒーにおいても、精選工程はとても重要な要素であり、品質や味を左右します。

主な精選工程

ナチュラル

コーヒーチェリーを果肉除去せず、そのまま乾燥させ、その後果肉、パーチメントを一度に除去します。果肉をつけたまま、乾燥させることでコーヒー豆に風味を移すことが特徴です。ただ、水分を多く含む果肉をつけたまま乾燥させることは、時間がかかります。

ウォッシュド

コーヒーチェリーの果肉を剥いた後、パーチメントコーヒーに付着するぬめり(ミューシレージ)を除去。ミューシレージを除去する際、発酵槽に付ける方法や機械を使用する方法などがあります。また、名称もフーリーウォッシュド、メカニカルウォッシュドなど、国や地域によって様々あり、統一の基準は特にありません。

パルプドナチュラル

コーヒーチェリーの果肉を剥いた後、パーチメントコーヒーに付着するぬめり(ミューシレージ)を残したまま、乾燥工程に進みます。ミューシレージをつけたまま乾燥させることで、甘みなどの風味をコーヒー豆に持たせます。ミューシレージは、乾燥が進むにつれ、ベトベトとくっつくため乾燥の際、細心の注意と手間がかかります。ブラジルで開発されたこの製法は、中南米をはじめ広くの生産地で活用されるようになり、コスタリカでは、「ハニープロセス」と呼ばれています。

スマトラ

インドネシアのスマトラ島の一部などでは、コーヒーチェリーの果肉を剥いた後、ミューシレージ(パーチメントコーヒーに付着するぬめり)が残ったパーチメントコーヒーを十分に乾燥させない状態で脱殻し、その後さらに乾燥させます。この方法で処理された生豆は、独特の深緑色に仕上がります。この色みが付加価値の一つとなりますが、柔らかい状態で脱殻することで、生豆を傷つけてしまったり、傷口からの菌の侵入によってダメージを受けるというリスクも抱えています。

セミ カーボニック マセレーション (カーボニック マセレーション)

ワインの醸造技術をコーヒーへ応用した精選方法。コーヒーチェリーを収穫後、密閉タンクの中に入れます。酸素よりも重い窒素や二酸化炭素を入れ、タンク内をほぼ無酸素状態にして発酵させ、その後果肉を除去して乾燥させる工程です。密閉したタンク内ではコーヒーチェリーの酵母の働きによってガスが発生するので、爆発を防ぐためのバルブが設けられています。タンク内では嫌気発酵が進み、通常のコーヒーにはないような独特のフレーバーをもったコーヒーができます。

ナチュラル アナエロビック

コーヒーチェリーを収穫後、密閉タンクの中に入れます。コーヒーチェリーはタンク内の酸素を使ってガスを出し、発酵させていきます。その後果肉を除去して乾燥させる工程です。
タンク内では嫌気発酵が進み、通常のコーヒーにはないような独特なフレーバーをもったコーヒーができます。

乾燥

天日乾燥(サンドライ)

直射日光に当て、乾燥を進めます。ムラなく乾燥させるために、広げる厚みを均一に何度も撹拌する必要があります。ムラがある等、十分な乾燥が出来ていない場合、発酵などよる異臭リスクが増加します。

機械乾燥(マシンドライ)

撹拌しながら、熱風を当て、乾燥を進めます。ムラなく短時間で乾燥しやすいも、当てる熱風の温度管理が品質に影響するため、注意が必要です。

パティオ

天日乾燥の際、チェリーやパーチメントコーヒーを広げる場所。均一に乾燥させるためにある程度の面積が必要です。ごく一部の農園では、乾燥スピードをゆっくりさせるため、直射日光が当たらないよう屋根をつける場合もあります。

アフリカンベッド

天日乾燥の際、チェリーやパーチメントコーヒーを広げる高床の網棚。網状なので、下からも風が入るなど、ムラなく乾燥させることができます。また、乾燥スピードをゆっくりさせるため、直射日光が当たらないよう屋根をつける場合や、二段式アフリカンベッドを使用する場合もあります。

プレ乾燥

本乾燥を行う前に、余分な水分をきる工程。パティオや機械を使いプレ乾燥を行うことで、本乾燥を効率的に行うことができ、時間を短縮することができます。

その他

ダブルフリーウォッシュド

雑味を減らし、クリーンな味、シャープな酸を持つコーヒーにするために、コーヒーチェリーの果肉を剥き、発酵槽でミューシレージを除去したあと、もう一度水槽に1日〜2日漬ける製法です。

ハニープロセス(ハニー仕立て)

コーヒーチェリーの果肉を剥き、除去するミューシレージの量を調節し、また長時間かけて乾燥させる製法です。コスタリカで生まれた製法であり、その程度の差や見た目からイエローハニー、レッドハニー、ブラックハニーなど分けて呼ばれるが、明確な基準がなく、生産者によって異なるようです。

ウェットミル/ドライミル

ミルとは加工処理する施設のことを指し、水を使う施設は「ウェットミル」、水を使わない施設は「ドライミル」と呼ばれています。「ウェットミル」では、水路で豆を選別したり、果肉などを取り除きパーチメントコーヒーにする工程が行われます。「ドライミル」では、チェリーを乾燥させたり、パーチメントコーヒーを脱殻して生豆に仕上げる工程が行われます。